自分の可能性と才能を発揮しながら行動し、
成長を続けていく上で、「不安」や「恐怖」を
乗り越えていけるかどうかはとても重要なテーマです。
それは「不安」や「恐怖」が
「行動」をとめてしまう原因になるからです。
「行動」ができなくては現実を
生み出すことはできません。
しかし、
「彼(敵)を知り己を知りれば百戦殆からず」
という孫子の言葉にもあるように、
彼(不安や恐怖)と己(自分)を
知ることができれば、
あなたの人生に負けはありません。
そこで今回は、
「不安とは何なのか?」
「恐怖とは何なのか?」
そして
「これらをどう乗り越えていくのか?」
について考えてみたいと思います。
<不安について>
まず、最初に「不安」とは何か?
について考えてみましょう。
ウィキペディアによると、
「不安とは、心配に思ったり、
恐怖を感じたりすること。
または恐怖とも期待ともつかない
何か漠然として気味の悪い心理的状態や
よくないことが起こるのではないか
という感覚である。」とあります。
「不安」の説明の中に「恐怖」があるように、
「不安」とは一種の「恐怖」を感じている状態
だと言えそうです。
また、「不安」と「恐怖」の違いは
対象が「はっきりしていない」か
「はっきりしているか」だと説明する専門家もいます。
つまり、
「不安とは漠然とした恐怖を感じている状態、または感情」
と言えそうです。これを図で表すと以下のようになります。
対象がはっきりしていれば、それは「恐怖」です。
高い所が怖い、犬が怖い、尖ったものが怖い、
上司の〇〇さんが怖い…など
一方、対象がはっきりしていないのであれば、
それは「不安」です。老後が不安(怖い)、
来週のテストが不安(怖い)、明日の3分スピーチが不安(怖い)、
借金が不安(怖い)…など
ここで大切なのは、
「不安」の中に含まれる漠然とした「恐怖」は
対象がはっきりとしていないという点です。
もし対象がはっきりとしているならその時点で
「不安」ではなく「恐怖」ですからね。
例えば「老後の不安」、よく使われる言葉ですし、
誰しも老後のことを考えると不安を感じるものでしょう。
しかし、「老後の不安」と言っても、
具体的には一体、何が不安なんでしょう…?
年金だけでは足りないから生きていけるか不安?
もし、そうだとしたらそれは
「十分な貯蓄や収入源がないことによる不安」であり、
老後そのものに対する不安とは言えないかもしれません・・・
または、病気で体を壊して動けなくなることが不安?
もし、そうだとしたらそれは
「先々、病気になってしまうような生活習慣を続けていることへの不安」
であり、老後そのものに対する不安とは言えないかもしれません・・・
つまり、このことからわかるのは、
「不安」は、その中にある「恐怖」の対象が漠然としているので、
問題の本質を見えにくくしてしまっているということです。
そこで、「不安」の中にある「恐怖」を
具体的にしていくことで、
問題の原因がわかるようになり、
それが、あなたが感じている「恐怖」の
正体に気づかせてくれることに繋がります。
<恐怖について>
次に、「恐怖」について考えてみましょう。
恐怖とは、
「動物や人間のもつ感情の一つで
こわいと思うことやその気持ち。」とあります。
「恐怖」=「こわいという感情」です。
先ほど、「不安」のところで説明しましたが、
「恐怖」は対象が明確です。
例えば、「犬が怖い」という感情、
これは「恐怖」の対象が「犬」という
具体的な動物なので、
対象が漠然としている「不安」とは違い、
「恐怖」ということになります。
「不安」の原因を明らかにしていけば、
そのうち「恐怖」にたどり着きます。
図で説明すると以下のようになります。
つまり、「不安」の行き着くところは「恐怖」です。
本当の意味で問題を解決しようと思ったら、
「恐怖」と向き合わなければいけないのです。
しかし、「恐怖」の原因は幼少期の経験や、
強い精神的ショックによって生じたパラダイム(ビリーフ)ですから、
取り除くのは簡単ではありません。
とは言え、もとは自分で意識の中に書き込んだものですから、
同じように自分で書き換えることも、理論的には 可能です。
しかし、「恐怖」の元となる体験が強烈であればあるほど、
その体験や記憶と向き合うのは苦しい取り組みになると思うので、
ある程度専門的な知識と経験を身に着けた専門家のサポートを
受けながら行うことをオススメします。
ただし、その「恐怖」の引き金になるビリーフも
も程度がありますので、自力で書き換える(癒す)
ことも十分に可能です。
以下に、その手順とコツをお伝えしておきます。
- リラックスした状態を作る
- 「恐怖」の原因となった体験をできるだけ詳しく思い出す
- その体験によって感じた過去の感情を呼び起こし追体験する
- 感情を出し切り、過去の事実に別の意味付けをする
- 「私は〇〇です」と肯定的表現で新しい自分をインストールする
少し抽象的なので、「犬が怖い」というのを例にとって
「恐怖」を乗り越える方法をお伝えしていきます。
1.リラックスした状態を作る
過去の記憶にアクセスする必要があるので、
できるだけリラックスした状態を作ってください。
一人きりになり、なるべく静かで、
薄暗い部屋にこもってください。
そして、リラックスするための音楽をしばらく聞きながら、
深く深呼吸をしてください。
2.「恐怖」の原因となった体験をできるだけ詳しく思い出す
リラックスした状態ができたら、
「なぜ、私は犬が怖いんだろう…」と自問してみてください。
そして、その理由を口にしてみてください。
「小学校1年生の時、学校の帰りに、
大きな犬に噛まれて怪我をした…」
「そして、高熱を出して入院した…」
「両親がとても心配して泣きながら
もう二度と犬には近づかないでと言った…」
「そして、私はその時、二度と
犬に近づいてはいけないと自分に言い聞かせた」
そんな類の記憶がよみがえってくるかもしれません。
人によってはすぐに思い出せないという方も
いるかもしれませんが、ここは焦らず、
リラックスした気持ちで過去の記憶を
じっくりとたどってください。
3.その体験によって感じた過去の感情を呼び起こし追体験する
「恐怖」の元となった過去の体験を思い返していくと、
当時の「感情」がよみがえってきます。
その時の感情をしっかりと味わってください。
人によっては涙がでることもあるでしょう。
しかし、涙がでても気にせず出し切りましょう。
4.感情を出し切り、過去の事実に別の意味付けをする
過去の体験をじっくりと追体験し、涙を出し尽くしたら、
一度軽く深呼吸をしましょう。そして、
その時起こった事実と自分が書き込んだ意味付けが本来、
無関係であることを確認しましょう。先ほどの例でいくと、
「犬に噛まれ大けがをし、入院したことで、
両親が泣きながら犬に近づかないでと言った」
⇒「私は犬に近づいてはいけない」
という記憶のロジックを次のように書き換えます。
「犬に噛まれ大けがをし、入院したことで、
両親が泣きながら犬に近づかないでと言った」
⇒「しかし、私はもう大人、犬に近づいても
自分を守ることができるし、可愛がることもできる。
犬は私にとって何の害もない動物だ」
といった具合に、
過去の体験に新しい意味を書き加えるのです。
5.「私は〇〇です」と肯定的表現で新しい自分をインストールする
最後に、自分自身に宣言するように
「私は犬を愛し、可愛がることが出来る人間だ」
と何度も何度も、口にだしながら新しい自分を
インストールしていきます。
以上が、「不安」や「恐怖」を乗り越える方法です。
最初は上手くできないかもしれませんが、
練習をすれば次第に上手にできるようになり、
やがて新しい自分に生まれ変わり、
気が付けば今まで感じていた「恐怖」を
不思議とあまり感じなくなっていくでしょう。
乗り越えたい「不安」や「恐怖」がある人はぜひ、
試してみて下さい。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
ビジネスコーチ 森山洋光
最近のコメント